“Beautiful Boro”
at 夜会 10/27(Sat)
いよいよ明後日の開催となりました”夜会”
当日入荷のアイテムより本日は味のあるダメージやエイジングに焦点を当てたスペシャルヴィンテージをご紹介します
長い年月を経て生まれる汚れや穴開き
永く愛用するためのリペアも日本人の細やかで丁寧な感性にはない
良い意味でラフな適当さや不均一なところが目を惹きます
使用する用途のために作られ必ずしもファッションとして計算されていないものがほとんどですが
当時の仕立てや素材の良さも相まって美しい経年変化が生まれています
部分的に当店の感覚でリペアを施し日常に落とし込めるようにしていますが
元々のエイジングを活かしたアートピースのような仕上がりにもなっていると思います
朽ちた美しさを是非ご堪能下さい
1960’s “ARROW” Rayon Shirt
Green × Charcoal Ombre Check
枯渇化の一途を辿るシャドウチェックのレーヨンシャツ
着丈長め
需要の高い16ハーフのグッドサイズ
元々理由の分からない穴が多数開いていたシャツ
当店でリペアした襟元や胸元のタタキ跡と
前所有者がおそらく手縫いで直した背中の継ぎ目やポケットのカンヌキのコントラストが秀逸
一枚で雰囲気抜群です
傷や小穴も魅力的な一着
特に負荷のかかる肘部分の破れには共生地で当て布
狙い無しでチェックの向きが揃っていないのも絶妙に良いです
1946’s “PRINCETON” Rayon Shirt
Italian Collar & Italian Stripe
Black ×Orange
タグに記載の通りアメリカ ニュージャージー州
プリンストン大学のスクールカラーである黒とオレンジの配色で作られたシャツ
用途不明ですがカジュアル着?
不良な匂いのするイタリアンカラーとイタリアンストライプが珍しい一着です
こちらも所々にタタキ跡が
特に秀逸な襟元のリペア
自然に生まれたランダムな傷をランダムに
均等なストライプにリズム
1960~70’s “Sumner’s Creation” Double Breasted Knit Cardigan
Sax Blue × Black Stripe
Short Length
羽織のような重なる前合わせが特徴的なカーディガン
横幅広短め丈にワイドストライプ
今のニュアンスに取り入れやすいシルエットバランスです
素材表記はありませんが恐らくウールとアルパカの混紡素材です
こちらはあえてのノーリペア
化学繊維ではまず起こりえない”虫食い”
上質な天然素材のみを使用しているこのニットだからこそのエイジングです
芸術的な穴開き
バーストアート
1960’s Remake U.S Military Marine Pants
Fade Ash Indigo
Baggy → Tapered
荒業リメイク
フレア気味の生地の裾をレザーの生地で縫い合わせ変形テーパードに
頭に浮かんだイメージを常識に縛られずそのまま形にしたような自由な感性に驚かされる一着です
履くとボンタンのような不思議なシルエットに
不合理の美学
穴の空いた箇所は恐らく破れたタイミングでその時に側にあったであろう
古いデニム生地とアイスブルーのデニム生地であて布をしています
ラフなハンドステッチはハイブランドのデザイナー達がこぞって加工で作り出そうとするまさにそれ
ミスタッチも不思議と心惹かれます
ボタンフライ裏はヴィンテージデニム特有の耳付き
まさかの青耳です
グレーのような色味に退色した個性的な色味
まさに完全一点物です
1960’s “PENNEY’S” BIG MAC Work Coat
Cotton Herringbone
Sax Blue
当時の労働者が中に着た衣服を汚さないために着ていたワークコート
作業によってついた汚れや破れは
August Sander や Irving Penn の写真の世界観そのものです。
ヴィンテージ好きはご存知のビッグマックの名作コート
当時もある程度数は作られていたと思いますが
ワークコートの性質上ボロボロで日常に着るのが難しいものがほとんど
そして年代の新しいものはまだ見かけなくもないですがこの古いタグのものは中々出てきません
ほぼほぼ欠損してしまっているベルトも付属
引っ掻いたようなキズやシミ、ペンキ汚れなど退廃的な美しさを感じさせます
意外にブランドのシャツやトラウザーなど綺麗なものとの相性が抜群です
最後にアンティークなコートを二着
1920~30’s Cotton Duster Coat
Sepia White
100年近い年月を経て生成りから独特な色味に変化したダスターコート
スクエアなシルエット
この時代のものに意外と多いスナップボタンのディテール
恐らく手袋などをつけたままでも外せるよう工夫されていたのだと思われます
扇形のような襟の形状
肌に触れる部分はピンクのようなカラーに
セピア色のような全体のムラ感が陶器の経年変化を思わせます
背面にアクションプリーツを配しているのでマキシレングスでも動きやすく
古いものの仕立ての細かさに感服します
そして最後もスペシャル
Early 1900’s Double Breasted Horse Riding Coat
Pure Linen
Corduroy Collar & Cuffs
1900年代初頭のリネンコート
恐らく乗馬用などに使われていたものと思われます
100年以上前のものとは思えないコンディション
生地の風化も見られずピンピンです
現代的な良シルエット
特有の曲線的な柔らかいラペル
リアルレザーのくるみボタン
現代では裏地を被せて生地の縫い合わせを隠してしまう洋服も多いですが
全てパイピング始末された丁寧な仕立て
見た目にも美しく丈夫です
丁寧なタタキ跡
飛沫のような汚れや薄いシミも散見されますが
まるでオブジェのようなオーラと佇まい
本来資料として購入する人も多いであろう貴重なコートですが
洋服はやはり着てこそ
是非日常のコーディネートに取り入れていただきたいアイテムです
様々なカルチャーからインスピレーションを得てセレクトしている当店のアイテム達
今回のアイテムこそ全身ボロボロももちろんですが
年代の新しいアイテムやブランドと組み合わせて
古着か新品かわからなくなるような着こなしになれば究極かなと思います
是非店頭でお試し下さい
それでは、10/27 “夜会”でお待ちしております